電子公告の掲載期間は何日?削除のタイミングまで完全解説

竹中

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竹中行政書士事務所

地域に寄り添う行政書士として、会社設立や許認可申請など、暮らしとビジネスを支える法務サービスを提供しています。

こんにちは、行政書士の竹中です。

「電子公告って何日間掲載すればいいの?」「いつ削除していいの?」 そんな疑問をお持ちの経営者や総務担当の方は多いのではないでしょうか。 この記事では、電子公告の掲載期間について、公告の種類ごとに丁寧に解説していきます。

【3秒でわかる】公告種類別の掲載期間まとめ

まず結論から申し上げます。電子公告の掲載期間は、公告の種類によって異なります。

公告の種類掲載期間削除可能時期
決算公告5年間継続5年経過後
合併公告1ヶ月以上期間満了後(登記完了まで推奨)
資本金減少1ヶ月以上期間満了後(登記完了まで推奨)
会社分割1ヶ月以上期間満了後(登記完了まで推奨)

多くの中小企業にとって最も身近な「決算公告」は、実は5年間継続して掲載する必要があります。 これを知らずに、1回掲載すれば終わりだと誤解されている方も多いようです。

それでは、それぞれの公告について、詳しく見ていきましょう。

1. 決算公告の掲載期間「5年間」の実務

1-1. なぜ5年間必要?

決算公告は、会社法第940条第3項で、定時株主総会の終結後から5年間、継続して掲載することが定められています。

会社法第940条第3項(抜粋)
株式会社が貸借対照表等の公告をする場合において、電子公告により公告をするときは、 当該公告は、定時株主総会の終結の日後五年を経過する日までの間、 継続してしなければならない。

なぜ5年間なのでしょうか。これは、株主や債権者、取引先などが、 過去の財務状況を含めて会社の経営状態を確認できるようにするためです。 1年分だけでなく、複数年の決算を見ることで、会社の成長や安定性を判断しやすくなります。

1-2. よくある質問

Q: 毎年更新が必要ですか?

A: 新しい決算を追加掲載し、古いものも残します。
毎年の定時株主総会後、新しい決算書を追加で掲載します。 その際、古い決算書は削除せず、そのまま残しておきます。 例えば、2025年の決算を掲載するときも、2024年、2023年、2022年、2021年の決算も一緒に表示しておくイメージです。

Q: 5年経過後は削除していいですか?

A: 削除可能ですが、証拠として保管することをおすすめします。
法律上は5年経過後に削除できます。 ただし、取引先との関係や、将来の融資申請などで過去の決算を求められることもあるため、 削除せず残しておく企業も多いです。 電子公告ネットでは、容量を気にせず過去の決算を全て残しておけるので、安心です。

Q: 途中でサービスを変えたらどうなりますか?

A: URL変更の場合は登記変更が必要です。
電子公告のURLは会社の登記簿に記載されています。 サービスを変更してURLが変わる場合、法務局で登記変更(登録免許税3万円)が必要になります。 そのため、長期的に安定して運営されているサービスを選ぶことが大切です。

1-3. 電子公告ネットなら自動管理で安心

電子公告ネットでは、過去の決算書を全て一つの画面で管理できます。 新しい決算を追加するだけで、自動的に過去の決算も表示され続けるため、 「5年間掲載」の義務を意識せずに簡単に守ることができます。

また、年間2,480円の定額制なので、何年分掲載しても追加料金はかかりません。 5年間の掲載でも、合計12,400円です。 官報公告なら1回で約5万円、5年間で25万円かかることを考えると、約95%のコスト削減になりますね。

2. 合併公告の掲載期間「1ヶ月以上」の正確な計算

2-1. 法的根拠

合併公告は、会社法第789条第2項で、債権者が異議を述べるための期間として1ヶ月以上の掲載が必要と定められています。

会社法第789条第2項(抜粋)
前項の各号に掲げる事項を定めた場合には、当該各号に定める株式会社は、 効力発生日の二十日前までに、債権者に対し、吸収合併等をする旨を通知するか、 又は公告をしなければならない。この場合において、 当該債権者は、当該株式会社に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。 (中略)債権者が異議を述べることができる期間は、一箇月を下ることができない。

この「1ヶ月以上」という期間は、債権者保護のための最低限の期間です。 債権者は、この期間中に公告内容を確認し、合併に異議がある場合は会社に申し出ることができます。

2-2. 期間計算の具体例

「1ヶ月」の期間計算は、民法の規定に従います。 少し複雑なので、具体例で見ていきましょう。

例:2025年3月1日 0:00に公告を開始した場合

公告開始日:2025年3月1日 0:00

起算日:3月1日(0:00開始の場合は当日から)

満了日:3月31日(起算日の応当日の前日)

効力発生可能日:4月1日以降

例:2025年3月1日 10:00に公告を開始した場合

公告開始日:2025年3月1日 10:00

起算日:3月2日(0:00以外の時刻開始の場合は翌日から)

満了日:4月1日(起算日の応当日の前日)

効力発生可能日:4月2日以降

このように、公告を開始する時刻によって、起算日が変わります。 0:00に開始すれば当日から、それ以外の時刻なら翌日からとなります。 実務上は、公告開始日の0:00に開始するのが一般的です。

2-3. 期間満了後の削除タイミング

法律上は、1ヶ月の期間が満了すれば、公告を削除することは可能です。 しかし、実務上は以下の理由から、登記完了まで掲載を続けることをおすすめします。

登記完了まで掲載を続ける理由

  • 法務局の審査で、実際に公告が掲載されているか確認される場合がある
  • 登記申請の添付書類として、公告の「掲載証明書」が必要
  • 万が一、登記申請に不備があって補正が必要になった場合に備えられる

電子公告ネットでは、掲載期間が終わった後も、必要に応じて公告を残しておくことができます。 追加料金はかかりませんので、安心して登記が完了するまで掲載を続けられます。

3. 資本金減少・会社分割の掲載期間

資本金の額の減少や会社分割も、合併公告と同様に、1ヶ月以上の公告期間が必要です。

3-1. 債権者保護期間との関係

これらの手続きは、債権者の利益に影響を与える可能性があるため、 債権者保護手続きとして公告が義務付けられています。

手続きの種類法的根拠公告期間
資本金の額の減少会社法第449条1ヶ月以上
吸収分割会社法第789条1ヶ月以上
新設分割会社法第810条1ヶ月以上

3-2. 異議申述期間の計算

債権者が異議を述べることができる期間は、公告期間と同じ1ヶ月以上です。 期間計算の方法も、合併公告と同じく、民法の規定に従います。

また、これらの手続きでは、電子公告調査機関による調査が必要になります。 調査機関への依頼は、公告開始の前に行う必要がありますので、 スケジュールには余裕を持って準備しましょう。

4. 掲載期間に関するよくある誤解

電子公告の掲載期間については、よく誤解されているポイントがあります。 ここで、代表的な誤解を正しておきましょう。

誤解1:「決算公告は1回掲載すれば終わり」

✗ 誤り
決算公告を1回掲載して、次の年には削除してしまう。

✓ 正解
決算公告は5年間継続して掲載する必要があります。 毎年、新しい決算を追加しながら、古いものも5年間は残しておく必要があります。 これは会社法第940条第3項で明確に定められています。

誤解2:「合併公告は1ヶ月ピッタリで削除」

✗ 誤り
1ヶ月の期間が満了した瞬間に、公告を削除する。

✓ 正解
法律上は期間満了後に削除可能ですが、実務上は登記完了まで掲載を続けることをおすすめします。 法務局の審査で公告が参照される可能性があるためです。 また、削除後も証拠として公告のデータを保管しておくと安心です。

誤解3:「電子公告は24時間経過すれば1日とカウント」

✗ 誤り
公告を開始してから24時間経過すれば、1日分の掲載になる。

✓ 正解
期間計算は民法第140条に従います。 0:00に公告を開始した場合は当日から起算、それ以外の時刻に開始した場合は翌日から起算します。 実務上は、0:00に公告を開始するのが一般的です。

これらの誤解は、法律違反や登記の不受理につながる可能性があります。 不安な場合は、司法書士や行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

電子公告の掲載期間について、詳しくお話ししてきました。 最後に、大切なポイントをもう一度まとめておきますね。

  • 決算公告は5年間継続掲載が必要(毎年更新しながら古いものも残す)
  • 合併公告は1ヶ月以上の掲載が必要(登記完了まで推奨)
  • ✓ 資本金減少・会社分割も1ヶ月以上の掲載が必要
  • ✓ 期間計算は民法の規定に従う(0:00開始なら当日起算)
  • ✓ 削除可能時期は公告の種類によって異なる
  • ✓ 電子公告ネットなら年間2,480円で期間管理も簡単

特に、決算公告が「5年間継続掲載」という点は、よく誤解されているポイントです。 1回掲載すれば終わりではないことを、しっかり覚えておいてください。

電子公告ネットなら、掲載期間の管理も簡単です。 定額制なので、5年分掲載しても追加料金はかかりません。 また、期間満了のリマインド機能もありますので、安心してご利用いただけます。

この記事が、皆さまの電子公告に関する疑問解消の一助となれば幸いです。

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免責事項

本記事の情報は、執筆時点における一般的な情報提供を目的としており、法的助言を構成するものではありません。 電子公告の実施や期間計算など、具体的な法的手続きについては、弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。 また、法令の改正等により情報が変更される場合がありますので、最新の情報は法務局等の公式サイトでご確認ください。