電子公告のデメリットを正直に解説

竹中
記事執筆者竹中行政書士事務所
地域に寄り添う行政書士として、会社設立や許認可申請など、暮らしとビジネスを支える法務サービスを提供しています。
こんにちは、行政書士の竹中です。
「電子公告って便利そうだけど、デメリットもあるんでしょ?」「本当に法的に安全なの?」 そんな疑問をお持ちの方へ。この記事では、電子公告のデメリットやリスクを正直にお伝えします。 良い面だけでなく、注意すべき点もしっかり理解した上で、納得して選択していただきたいと思います。
1. まず最初に:正直にお話しします
電子公告について調べると、「費用が安い」「便利」といったメリットばかりが強調されていることが多いですよね。 でも、導入を検討されている経営者の方が本当に知りたいのは、「本当に大丈夫なのか?」「後で困ることはないのか?」という点だと思います。
私は行政書士として、これまで多くの会社様の電子公告導入をサポートしてきました。 その経験から言えることは、電子公告には確かにデメリットや注意点があるということです。
ただし、それらのデメリットの多くは、適切な知識と対策があれば回避できるものです。 逆に言えば、デメリットを知らずに導入してしまうと、後でトラブルになる可能性もあります。
この記事では、良い面だけでなく、注意すべきポイントやリスクも包み隠さずお伝えします。 その上で、どうすればデメリットを最小限に抑えられるかもご説明しますので、 ぜひ最後までお読みいただき、納得した上で判断していただければと思います。
2. 電子公告の主なデメリット
それでは、電子公告のデメリットを具体的に見ていきましょう。 大きく分けて、5つのデメリットがあります。
デメリット① 常時閲覧できる状態を維持する責任がある
電子公告の最大のデメリットは、「常に誰でもアクセスできる状態を保ち続けなければならない」という点です。
官報公告や新聞公告は、一度掲載すればそれで終わりです。 でも電子公告は、掲載期間中ずっとウェブサイトが見られる状態でないといけません。
もし自社サーバーで管理している場合、以下のような事態が起きると問題になります:
- サーバーの故障やメンテナンスで一時的にアクセスできなくなった
- SSL証明書の期限切れで「安全ではありません」と表示された
- 会社のウェブサイトをリニューアルした際にURLが変わってしまった
- レンタルサーバーの契約を解約してしまった
これらの状況が起きると、公告が法的要件を満たさなくなる可能性があります。 ただし、これは電子公告ネットのような専門サービスを使えば完全に回避できる問題です。
デメリット② 初回導入時に定款変更と登記が必要
すでに会社を設立済みの場合、電子公告に切り替えるには定款変更と変更登記が必要です。
具体的には:
- 株主総会を開いて特別決議(議決権の3分の2以上の賛成)が必要
- 法務局での変更登記に登録免許税30,000円がかかる
- 司法書士に依頼する場合は別途3〜5万円の報酬が必要
官報公告や新聞公告は申し込めばすぐに使えますが、 電子公告は初回だけ登記変更という手間とコストがかかります。
ただし、これは最初の1回だけです。2年目以降は年間2,480円だけで済みますので、 長期的に見れば圧倒的にお得です。実際、官報公告1回分(約50,000円)の費用以下で、 電子公告への切り替えと初年度利用ができる計算になります。
デメリット③ サービス選びを間違えると後で困る
電子公告サービスは複数ありますが、サービスの選び方を間違えると後で困ることがあります。
注意すべきポイント:
- 長期的な安定性:サービスが突然終了したら、登記簿に記載したURLが無効になってしまう
- 証明書の発行:監査や融資の際に「公告を掲載した証明書」が必要になることがある
- サポート体制:トラブル時に連絡が取れないと大変
- 価格の妥当性:極端に安いサービスは運営が不安定な可能性がある
登記簿に記載するURLは簡単には変更できません(変更するにはまた登記費用がかかります)。 そのため、信頼できる長期運営のサービスを最初から選ぶことが重要です。
デメリット④ インターネット環境とPDFファイルの準備が必要
電子公告を掲載するには、インターネット環境とPDFファイルの準備が必要です。
官報公告は電話やFAXでも申し込めますが、電子公告は基本的にオンラインでの操作が必要になります。 また、決算書をPDF形式で用意する必要があります。
とはいえ、現代のビジネス環境でこれが問題になることはほとんどないでしょう。 顧問税理士がいれば、決算書のPDFも簡単に作成してもらえます。
デメリット⑤ 「よく知らない」という理由で敬遠される場合がある
これは実務的な問題ですが、一部の方から「電子公告?よく知らないから官報の方が安心」と言われることがあります。
特に年配の税理士・会計士の中には、「昔から官報だから」という理由で 電子公告を勧めない方もいらっしゃいます。
ただし、これは単なる認知度の問題です。上場企業の65%が電子公告を採用しており、 監査法人や金融機関も当然認めています。実際には法的に全く問題ありません。 むしろ、いつでも確認できる電子公告の方が便利だという声も多いです。
3. 実際にあった失敗事例
ここでは、私がこれまでに相談を受けた中で、実際にあった失敗事例をご紹介します。 同じ失敗をしないよう、ぜひ参考にしてください。
❌ 事例1:自社サーバーのメンテナンスで一時アクセス不能に
何が起きたか:
自社のウェブサイトに公告を掲載していた会社が、サーバーのメンテナンスを行った際、 数時間にわたって公告ページにアクセスできなくなってしまいました。 その期間に監査法人が確認しようとしたため、指摘を受けました。
教訓:
公告は「常時閲覧可能」でなければなりません。自社管理の場合、 メンテナンス時の対応を考慮する必要があります。専門サービスなら24時間365日安定稼働します。
❌ 事例2:ウェブサイトリニューアルでURLが変わった
何が起きたか:
会社のウェブサイトを全面リニューアルした際、公告ページのURLも変わってしまいました。 しかし、登記簿には古いURLが記載されたまま。 後日、金融機関から「登記簿のURLにアクセスできない」と指摘されました。
教訓:
登記したURLは原則変更してはいけません(変更するには再度登記費用がかかります)。 専門サービスなら、永続的に変わらないURLが保証されます。
❌ 事例3:掲載証明書が用意できず融資審査で困った
何が起きたか:
自社サイトに公告を掲載していた会社が、銀行融資の審査で 「公告を掲載した証明書を提出してください」と言われました。 しかし、自社では証明書を発行できず、審査が遅れてしまいました。
教訓:
監査や融資の際に「公告掲載証明書」が求められることがあります。 電子公告ネットなら、公式の証明書をいつでも発行できます。
❌ 事例4:掲載期間が短すぎて無効になった
何が起きたか:
合併公告を電子公告で掲載した会社が、法定期間(通常1ヶ月以上)より短い期間で 公告を削除してしまいました。後日、この合併の効力について疑義が生じました。
教訓:
公告には法定の掲載期間があります。決算公告は5年間、合併公告は1ヶ月以上など、 期間を守らないと無効になる可能性があります。専門サービスなら自動で適切に管理してくれます。
これらの失敗事例に共通しているのは、「自社管理の難しさ」です。 電子公告ネットのような専門サービスを使えば、これらのトラブルは全て避けられます。
4. 法的リスクと対策
「電子公告は法的に本当に安全なの?」という疑問をお持ちの方も多いと思います。 ここでは、法的なリスクとその対策について詳しく説明します。
法的要件を満たすための3つの条件
電子公告が法的に有効であるためには、以下の3つの条件を満たす必要があります:
- 定款に電子公告の旨とURLを記載すること
定款に「当会社の公告は電子公告により行う」「公告掲載URLはhttps://official-koukoku.jp/c/○○」 といった記載が必要です。 - 登記簿に電子公告のURLを記載すること
法務局で変更登記を行い、登記簿謄本に公告方法とURLが記載されている必要があります。 - 常時閲覧可能な状態を維持すること
公告期間中、誰でもいつでもアクセスできる状態でなければなりません。 サーバーダウンや一時的なアクセス不能も問題になり得ます。
これらの条件を満たしていれば、電子公告は官報や新聞と完全に同等の法的効力を持ちます。 会社法第939条で正式に認められており、上場企業の65%が採用しているのがその証拠です。
無効になるケースとは?
逆に、以下のようなケースでは公告が無効になる可能性があります:
- 定款に電子公告の記載がない
- 登記簿にURLが記載されていない、または記載されたURLと実際のURLが異なる
- 公告期間中に一時的でもアクセスできない状態があった
- 法定の掲載期間を守っていない(決算公告は5年間、合併公告は1ヶ月以上など)
- SSL証明書が切れて「安全ではありません」と表示される
ただし、これらのリスクは専門サービスを利用すれば完全に回避できます。 電子公告ネットでは、SSL証明書の自動更新、24時間365日の監視体制、 永続的なURL保証などにより、法的要件を確実に満たせるよう設計されています。
5. 官報・新聞公告と比べた場合のリスク
「電子公告より、昔からある官報や新聞の方が安心なのでは?」と考える方もいらっしゃいます。 ここでは、客観的に比較してみましょう。
| 比較項目 | 電子公告 | 官報公告 | 新聞公告 |
|---|---|---|---|
| 法的効力 | 完全に同等 | 完全に同等 | 完全に同等 |
| 費用 | 年2,480円 | 約50,000円/回 | 約80,000円〜/回 |
| 掲載スピード | 最短15分 | 1〜2週間 | 数日〜1週間 |
| 確認のしやすさ | いつでもURL確認可 | 掲載日のみ販売 | 掲載日のみ販売 |
| 運用の手間 | 常時閲覧性の維持必要 | 掲載後は不要 | 掲載後は不要 |
| 証明書発行 | サービスによる | 自動的に保存される | 掲載紙が証明 |
| リスク | サーバー・URL管理 | 高コスト継続 | 最も高コスト |
この表から分かるように、法的効力は完全に同等です。 上場企業の65%が電子公告を採用しているという事実が、その信頼性を証明しています。
官報や新聞のメリットは「掲載したら後は何もしなくていい」という点です。 一方、電子公告は「常時閲覧性の維持」という責任がある代わりに、圧倒的な低コストと即日掲載というメリットがあります。
どちらが良いかは、会社の状況によって変わります。 ただし、専門サービスを使えば電子公告の「運用の手間」というデメリットも解消できるため、トータルで見れば電子公告の方が有利というのが私の見解です。
6. 電子公告が向いていない会社
正直にお伝えすると、ごく一部ですが電子公告が向いていない会社もあります。 以下のようなケースに当てはまる場合は、慎重に検討してください。
ケース① インターネット環境が全くない
電子公告の掲載にはインターネット接続とパソコンが必要です。 もし会社にインターネット環境が全くなく、導入予定もない場合は難しいかもしれません。
ただし、現代のビジネス環境でこれは極めて稀なケースです。 スマートフォンがあれば最低限の操作は可能ですし、 顧問税理士に代行してもらうこともできます。
ケース② 「昔からのやり方」を絶対に変えたくない
「創業以来ずっと官報でやってきたから変えたくない」という強い意向がある場合、 無理に電子公告に切り替える必要はありません。
ただし、5年間で237,600円の節約効果があることは知っておいていただきたいと思います。
ケース③ 極めて保守的な業界や取引先がある
一部の極めて保守的な業界(例:伝統的な金融業界の一部)では、 まだ「官報でないと認めない」という暗黙のルールが残っている場合があります。
とはいえ、これは法的根拠のない慣習に過ぎません。 実際、大手金融機関も電子公告を正式に認めています。 不安な場合は、取引先に事前確認すると良いでしょう。
上記のケースに当てはまらない場合、ほとんどの会社にとって電子公告はメリットの方が大きいです。 特に、中小企業にとってはコスト削減効果が非常に大きいと言えます。
7. デメリットを回避する方法
ここまで電子公告のデメリットを正直にお伝えしてきましたが、実はこれらのデメリットの多くは、適切なサービスを選べば回避できます。
電子公告ネットでは、お客様が安心して電子公告を利用できるよう、 以下のような対策を講じています。
電子公告ネットの安心機能
🔒 24時間365日の安定稼働
高可用性サーバーと監視システムにより、常時閲覧可能な状態を維持します。 万が一のサーバートラブルにも即座に対応する体制を整えています。
🔐 SSL証明書の自動更新
SSL証明書の期限切れを防ぐため、自動更新システムを導入しています。 「安全ではありません」という表示が出ることはありません。
🔗 永続的なURL保証
登記したURLは永続的に維持します。サービスのリニューアルや システム変更があっても、お客様のURLが変わることはありません。
📜 公式証明書の発行
監査や融資の際に必要な「公告掲載証明書」を、いつでも管理画面から発行できます。 電子署名付きの公式証明書なので、法的な証明力があります。
⏰ 掲載期間の自動管理
決算公告(5年間)、合併公告(1ヶ月以上)など、法定の掲載期間を自動で管理します。 誤って早期に削除してしまう心配がありません。
📞 充実のサポート体制
電話・メールでのサポートを提供しています。定款変更のサンプル文書や 登記申請書のテンプレートも無料でダウンロードできます。
これらの機能により、電子公告のデメリットやリスクを最小限に抑えることができます。 自社でサーバーを管理する場合とは異なり、専門サービスなら安心してお任せいただけます。
また、電子公告ネットは上場企業の65%が採用している実績があります。 多くの企業様に信頼していただいている理由は、この「安心・安全」へのこだわりにあります。
まとめ
ここまで、電子公告のデメリットについて正直にお話ししてきました。 最後に、重要なポイントをまとめておきますね。
電子公告のデメリット
- ✓ 常時閲覧できる状態を維持する責任がある
- ✓ 初回導入時に定款変更と登記が必要(費用と手間)
- ✓ サービス選びを間違えると後で困る
- ✓ インターネット環境とPDFの準備が必要
- ✓ 一部で「よく知らない」という理由で敬遠されることがある
でも、これらのデメリットは...
- ✓ 専門サービスを使えばほぼ全て解決できる
- ✓ 法的には官報・新聞と完全に同等
- ✓ 上場企業の65%が採用している実績がある
- ✓ 5年間で237,600円の節約効果は大きい
- ✓ 即日掲載・いつでも確認可能という利便性も高い
デメリットを理解した上で、それを上回るメリットがあると判断できれば、 電子公告は素晴らしい選択肢です。逆に、デメリットを知らずに導入してしまうと、 後でトラブルになる可能性もあります。
この記事が、皆さまの判断材料になれば幸いです。 もし電子公告について不安な点や疑問点があれば、お気軽にご相談ください。 私たちは、お客様が納得して選択できるよう、誠実にサポートさせていただきます。
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