電子公告の費用はいくら?官報・新聞との徹底比較

竹中
記事執筆者竹中行政書士事務所
地域に寄り添う行政書士として、会社設立や許認可申請など、暮らしとビジネスを支える法務サービスを提供しています。
こんにちは、行政書士の竹中です。
「電子公告の費用って実際いくらかかるの?」「官報より本当に安いの?」 そんな疑問をお持ちの経営者の方へ。この記事では、電子公告・官報・新聞公告の費用を徹底比較し、 最も安全でコストを抑えられる方法をお伝えします。
1. 【結論】3つの公告方法の費用比較
まず最初に結論をお伝えします。 公告方法は大きく分けて3つあり、それぞれ費用が大きく異なります。
| 公告方法 | 費用(年間) | 5年間の合計 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 電子公告 | 年2,480円 (電子公告ネットを利用した場合) | 12,400円 | 最安・即日掲載可 |
| 官報公告 | 約50,000円 | 約250,000円 | 伝統的な方法 |
| 新聞公告 | 約80,000円〜 | 約400,000円〜 | 最も高額 |
💰 費用比較のポイント
- ✓ 電子公告は官報の約1/20(95%削減)
- ✓ 新聞公告と比べると約1/32(97%削減)
- ✓ 5年間で237,600円の節約(官報比)
- ✓ 法的効力は完全に同等
この表から分かるように、電子公告は圧倒的に安いです。 しかも、上場企業の65%が採用しているという実績があり、 法的にも官報や新聞と全く同等の効力を持ちます。
「安いと何か問題があるのでは?」と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。 でも、これには理由があります。官報や新聞は「印刷・配送・管理」にコストがかかりますが、 電子公告はインターネット上で完結するため、構造的に低コストなんです。
2. 電子公告の費用を詳しく解説
電子公告の費用について、さらに詳しく見ていきましょう。
電子公告ネットの料金体系
年間利用料
決算公告・各種公告の掲載が無制限
2,480円
月額約207円
初期費用
アカウント登録・設定費用
0円
完全無料
公告掲載証明書
監査・融資時に必要な証明書
0円
何枚でも無料
SSL証明書・サーバー費用
常時閲覧性の維持に必要
0円
全て込み
年間合計
2,480円のみ
追加費用なし・隠れコストなし
定款変更が必要な場合の費用
すでに会社を設立済みで、これから電子公告に切り替える場合は、最初だけ定款変更の費用がかかります。
ただし、これは最初の1回だけの費用です。 2年目以降は年間2,480円だけで済みますので、2年目で十分に元が取れます。
なお、会社設立時から電子公告を選択する場合は、 定款変更の費用は一切かかりません。最初から年間2,480円だけで始められます。
3. 官報公告の費用
官報公告は、多くの会社がこれまで使ってきた伝統的な方法です。 費用について詳しく見ていきましょう。
官報公告の基本料金
決算公告(1回あたり)
文字数:約500文字程度
約50,000円
合併公告(1回あたり)
文字数:約800文字程度
約70,000円
年間費用(決算公告のみ)
毎年1回の掲載
約50,000円
官報公告は文字数に応じて料金が変わります。 基本的な決算公告(貸借対照表の掲載)で約50,000円が相場です。
官報公告のその他の費用
- 掲載期間:1〜2週間かかる(急ぎの対応は難しい)
- 修正費用:掲載後の修正は不可(再掲載には追加費用)
- 証明書:官報の切り抜きや購入が必要(別途費用)
官報公告の最大のデメリットは、毎年この費用が発生することです。 5年間で約250,000円、10年間で約500,000円と、長期的には大きな負担になります。
4. 新聞公告の費用
新聞公告は、3つの方法の中で最も費用が高い公告方法です。
新聞公告の基本料金
日本経済新聞(決算公告)
全国版での掲載
約80,000円〜
地方紙(決算公告)
地域限定での掲載
約60,000円〜
年間費用(決算公告のみ)
毎年1回の掲載
約80,000円〜
新聞公告は、掲載する新聞の種類(全国紙・地方紙)や、 広告の大きさによって料金が変わります。 日本経済新聞の場合、1回で約8万円以上かかることが一般的です。
新聞公告を選ぶのは、主に大企業や知名度を重視する企業です。 中小企業にとっては、コストパフォーマンスが非常に悪いと言えるでしょう。
5. 「無料」で電子公告はできる?
「自社のホームページに載せれば無料でできるのでは?」 そう考える方も多いと思います。確かに、技術的には可能です。 でも、本当に無料で済むのか、正直にお話しします。
自社サーバーで管理する場合の「隠れコスト」
💻 サーバー維持費
自社サーバーまたはレンタルサーバーの費用(月額1,000〜10,000円程度)
→ 年間12,000〜120,000円
🔐 SSL証明書
HTTPS化に必要な証明書(年間5,000〜30,000円程度)
→ 期限切れで閲覧できなくなるリスクあり
👨💻 システム管理の人件費
サーバー監視、メンテナンス、トラブル対応など
→ 自社エンジニアまたは外部委託が必要
📜 証明書発行の手間
監査や融資時に「公告掲載証明書」が求められることがある
→ 自社では公式証明書を発行できない
⚠️ 法的リスク
サーバーダウンやURL変更で公告が無効になる可能性
→ 法的要件を満たせないリスク
このように、「無料」に見えても、実際にはさまざまな隠れコストとリスクがあります。 トータルで考えると、専門サービスを使う方が安全で、結果的に安価になることが多いんです。
無料ブログやnoteは使える?
「無料ブログやnoteに公告を載せればいいのでは?」という質問もよくいただきます。
結論から言うと、おすすめできません。理由は以下の通りです:
- 無料サービスは突然終了する可能性がある
- URLが変わった場合、登記を変更しなければならない
- サービス規約で商用利用が禁止されている場合がある
- 公告掲載証明書を発行できない
- 法務局や監査法人が認めない可能性がある
法的に確実な方法を選ぶなら、専門の電子公告サービスを使うことを強くお勧めします。 年間2,480円という費用は、これらのリスクを回避するための「安心料」と考えていただければと思います。
7. 実際の節約額シミュレーション
最後に、電子公告に切り替えると実際にどれくらい節約できるのか、 具体的にシミュレーションしてみましょう。
ケース① すでに会社設立済み(官報から切り替え)
| 期間 | 官報公告 | 電子公告ネット | 節約額 |
|---|---|---|---|
| 初年度 | 50,000円 | 32,480円※ | 17,520円 |
| 2年目 | 50,000円 | 2,480円 | 47,520円 |
| 3年目 | 50,000円 | 2,480円 | 47,520円 |
| 5年間合計 | 250,000円 | 42,400円 | 207,600円 |
| 10年間合計 | 500,000円 | 54,800円 | 445,200円 |
※初年度は登録免許税30,000円+年間利用料2,480円=32,480円
ケース② 新規設立時から電子公告を選択
| 期間 | 官報公告 | 電子公告ネット | 節約額 |
|---|---|---|---|
| 初年度 | 50,000円 | 2,480円 | 47,520円 |
| 5年間合計 | 250,000円 | 12,400円 | 237,600円 |
| 10年間合計 | 500,000円 | 24,800円 | 475,200円 |
💡 節約額まとめ
- ✓ 既存会社の場合:5年間で約20万円、10年間で約45万円の節約
- ✓ 新規設立の場合:5年間で約24万円、10年間で約48万円の節約
- ✓ この費用を事業成長に投資できます
このように、電子公告に切り替えることで、大幅なコスト削減が実現できます。 浮いた費用を、マーケティングや設備投資に回すことができるのは、 中小企業にとって大きなメリットではないでしょうか。
まとめ
ここまで、電子公告の費用について詳しくお話ししてきました。 最後に、重要なポイントをまとめておきますね。
費用比較のポイント
- ✓ 電子公告ネット:年間2,480円(月額約207円)
- ✓ 官報公告:年間約50,000円(約20倍高い)
- ✓ 新聞公告:年間約80,000円〜(約32倍高い)
- ✓ 5年間で約20〜24万円の節約が可能
- ✓ 法的効力は完全に同等
- ✓ 追加費用・隠れコストは一切なし
「安いと何か問題があるのでは?」という不安は理解できます。 でも、電子公告が安いのは、印刷・配送が不要で構造的にコストが低いからなんです。
実際、上場企業の65%が電子公告を採用しており、 監査法人や金融機関も正式に認めています。 これは、電子公告が安くても信頼できる証拠です。
この記事が、皆さまのコスト削減の一助となれば幸いです。 電子公告について詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
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